農家・5人家族の相続問題

相続では家族の様々な過去のしがらみやお互いの想いがぶつかり合うようです。

例えば、こんな話がありました。
父は農業を営んでいたが10年前に死亡。
それ以降、母と長男と長男の嫁が農業を継いでいた。
(母と長男夫婦、その子供は同居)

長女は他家に嫁ぎ専業主婦。
次男は東京に出て会社を経営。
今回、母が死亡し、相続が発生した。

財産は、母が父からのものを全て相続していた為、農地と宅地であった。
さて、相続のことで話し合いが持たれた。
長男「遺産は全てオレがもらう」
次男「なんでそんな言い方をするんだ」
長男の嫁「そうよ、それじゃ身も蓋もないでしょ」
長男「もともと父からの農業を継いでいるのはオレだ。
   オレが相続しなけりゃこの家はなくなる」
長女「・・・」
ここで次男は冷静に考えた。
次男の心の中はこうです。

・このまま行けば争いになってしまう
・本来自分の相続分は1/3あるけど、それを言えば姉も同じ意見になってしまう
・財産と言っても農地と宅地で分けようがない
・兄も農業を継いで頑張ってきたのは偉い
・自分が気ままに生活してきたのは母と兄のお陰もある
・もし、ここでもめたらオレは一生この家に戻らなくなるだろう
・母は「兄弟仲良く」を望んでいた
・母の介護で大変だったのは兄の嫁さんだ
・しかし、あの言い方は気に入らない
・オレは財産いらないけど、まあ今は黙っていよう

そして、この場は何となく嫌な雰囲気で終了しました。
後日、長男の嫁が次男に謝って来た。

長男嫁「先日は本当に申し訳ありませんでした。

主人は別に独り占めするという事ではなく、お父さんを継いでいるという意識が強く出てしまったようです。
私もあの後強く主人に意見しておきました。後日主人から連絡させます」

次男「まあ、オレも兄とお姉さん(嫁)には感謝していますよ」

 

さて、この相続はどういう結末になったでしょうか?

結末は次回のブログでご紹介しますが、ぜひ考えてみて下さい。

そして、なぜこのような事例をご紹介したかというと、

「習うより慣れろ」

ではありませんが沢山の事例に触れることが大きな学びにつながるからです。
現場でのお客様へのコンサルティング力のアップに繋がるからです。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

youtube

書籍紹介

書籍紹介

事業承継の本
(アッという間にわかる・誰でもすぐわかる)

Amazon 2,035円

企業経営者と著者の対話形式により、中小企業 が事業承継を行う際に考えておくべき、自社株( 未公開株式)の評価価額の算出、株価評価減対策 、株式移転の具体方法、相続争いを起こさせな い環境づくりなど、わかりやすく解説されてお り、難しいとされる事業承継について、誰でも 理解できるようにまとめられています。

著者

齋木 修次

齋木 修次デイライト株式会社代表

生命保険セールス出身、世界中での業界のトッ プとして活躍。その間、相続・事業承継におけ る生命保険の役割の大きさに気づき、コンサル ティングに業種変更した。「相続・事業承継」 「未公開株式の評価と評価減対策」等のセミナ ーを年間60回程度開催中。2018年に経済産業大 臣認定の「経営」革新等支援機関となり、平成 30年度事業承継税制の正しい普及に尽力中。 著書「アッという間にわかる・誰でもすぐわか る事業承継の本」がAmazon会社承継部門のベ ストセラーとなる。